観光庁は多様な食習慣や文化的習慣を有する訪日外国人旅行者への受入対応を目的に、誘客促進や観光消費の拡大を期待できる地方公共団体やDMOなどを対象に、専門家派遣による伴走支援等を含む「地域一体となったインクルーシブツーリズム促進事業」の公募を開始しました。
弊社ではベジタリアンやイスラム教徒などの多様な食習慣や文化的習慣を持つ訪日外国人の受け入れに取り組む自治体やDMO、宿泊・飲食事業者などを対象に、世界品質の食材表示の絵文字「フードピクト」の提供とあわせて、多様な食習慣や文化的習慣に対応した料理や商品の開発と、ガストロノミーツーリズムの企画造成をサポートしています。
以下に弊社の支援事例を紹介していますので、よろしければご覧ください。
事例1:神戸市の野菜の魅力と活用法を体感できるツアーの造成(神戸市)
神戸市はパンやスイーツ、日本酒の街として有名ですが、それらに比べると都市のすぐ近くで多品種の野菜が育てられている農業面の魅力や、多様な宗教や文化が共生している都市の魅力はあまり知られていません。都市と農村がコンパクトに連なる地域の特色を活かし、新しい発想で都市と農村が共生する仕組みづくりが求められていました。
そこで農村と都市のリソースを活用し、SDGsやエシカル消費に関心が高い層をターゲットに、ハラールやベジタリアンにも対応したプラントベースを起点にした、ガストロノミーツーリズムと食の多様性対応を掛け合わせた食の観光コンテンツを開発しました。
事例2:淡路島産小麦を活用したピザ生地の開発と、地元食材を組み合わせたピザづくり体験アクティビティの造成(洲本市)
古代から御食国(みけつくに)として豊かな食文化を誇る淡路島は、現在も玉葱やキャベツなどの栽培が盛んな一方で、農業従事者の高齢化に伴い耕作放棄地が増加しており、作業負担が小さく持続可能な新たな特産物づくりが課題となっています。また淡路島を訪問する観光客は大手資本が運営する大型施設に集中し、地域食材の活用や歴史や伝統とのつながりを体験できるコンテンツが不足していました。
そこで地域の農家と連携して栽培を推進している淡路島産小麦を軸に、プラントベースで長期保存が可能な冷凍ピザ生地の開発と、地元の新鮮な食材を具材として使用したピザづくりの体験型アクティビティを造成しました。また多様な食文化や習慣を有する訪日外国人を含む観光客への販売に向けて、ウェルネスパーク五色や地域の関係機関と連携して取り組み、継続的な誘客と消費拡大を目指す取り組みを推進しました。
事例3:大阪・関西万博に向けた関西経済連合会の「食の多様性推進ラウンドテーブル」のインクルーシブツーリズムの取り組み(大阪・神戸)
2025年に開催される大阪・関西万博に向けて、多様な食文化や食習慣がある外国人観光客にも安心して日本での食事を楽しんでもらえる環境を整備する関西経済連合会の取り組みに、プラントベースのレシピ開発とフードピクトのデザイン提供から協力しています。
株式会社フードピクトでは、ガストロノミーツーリズムやインバウンド対応に取り組んでいる観光・宿泊・飲食事業者に向けて、より良い食体験を届けるための事例集を毎年刊行しています。
最新刊の事例集「Inclusive & Regenerative Gastronomy」は、2024年9月に書籍とPDFで販売予定です。書籍は資源保護のため初版100冊のみとなりますので、お早めにご予約・ご購入ください。なお2023年度の事例集「Expolore the Future of Food」は、引き続きPDF版をご利用いただけます(書籍は完売御礼)。
また本事例集に関する講演や寄稿のご依頼にも対応しています。講演内容の詳細やこれまでの実績は下記よりご覧いただけます。
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